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WAYその3“国産木材の有効活用”

1.国産木材へのこだわり
 人と木材との関り合い。これまで経験的にのみ知られてき木材の良さや快適感が、自律神経や中枢神経系、内分泌系の指標を用いる生理応答と官能評価や感情プロフィール検査を用いる心理反応の両面から科学的データで明らかにされつつあります。また現代に生きる人間に焦点を当て、人と環境の動的関係について人間の側から評価しようとする生理人類学の視点や免疫抵抗力、アレルギーに対する考え方から木材を捉えています。また長年の取り組みから「木使い先人の智恵」

1:物理的機能性
2:木材生理機能 
3:自律神経反射(触覚)
4:木の香り物質(嗅覚)
5:木目(視覚)    
この5点が理に適い科学的なことを発見した。

2.杉へのこだわり
 現代においても最先端のバイオテクノロジーは、日本の醸造技術の核心ですが、ステンレスもホーローもなかった時代、酒蔵は杉材を使い、種麹室、樽、醸造関係施設は全て杉材を使用し、目的に応じて機能的に柾目や板目を使い分けている。腐敗菌(雑菌)から分別できたのは、杉材の持つ木材生理機能を理解していたからであった。現代においてこの杉材の生理機能は免疫機能が低下した人のインテリア処方として利用できる。また江戸時代の下水施設は杉材で作られ、その遺構は発掘され朽ちずに残っているものが東京江戸博物館で常設展示されている。正倉院は檜の校倉造りで有名であるが、御物は杉赤身材の唐櫃に納められ千年を経た今日まで伝承されている。これらの共通点から新しい時代に向けた機能性が発見できるのです。

3.ヒノキへのこだわり
 ヒノキの断面を顕微鏡で見ると導管が(ちいさな孔)規則正しく緻密に配列している。この目に見えない美しさと独特の光沢・手触り感がヒノキにこだわる理由。この手触り感は自律神経反射を活発化させ受動的接触の場合と能動的接触では脳に対する情報量が異なり、緊張とやすらぎ感が同居する素材です。能舞台がヒノキである理由はこの緻密な規則正しさと自律神経反射を最大限利用した装置なのです。神社建築では拝殿に至る廊下歩くとき足裏接触から自律神経反射が高まり、正座をした瞬間、心が正されるように仕組まれた装置でした。抗菌性や芳香性が強調されますが、ヒノキは空間を清浄にする力を持っていたのです。ヒノキは古来より権力者が独占してきた木材です。一般庶民が自由に使えるようになったのは戦後です。ひのき神話ではなく、建築をするために最も良い木材だったから神話にも木の使い方が具体的に示されているのです。これから子育てをめざす若い人々にこそ、このヒノキの特徴を現代住宅の「適材・適所」として提案しています。

 

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